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留学生30万人計画/国際競争力強化の一助に

若い世代の国際交流を促進させるとともに、日本の国際競争力強化につなげる。文部科学省は2009年度、大学などで学ぶ留学生数を30万人に増やす「グローバル30」計画をスタートさせた。  1983年に中曽根内閣が打ち出した「10万人計画」は、実現までに20年かかり、現在は13万3000人。全学生数に占める留学生の割合は3.8%にとどまり、ドイツ(12%)や米国(6%)などに及ばない。  米国でIT(情報技術)産業が急成長した陰に、インド、中国から留学した研究者ありと言われる。有能な留学生を獲得し、自国の経済発展に活用するのは世界の潮流だ。  日本の国際的地位は、新興国に脅かされているものの、理工系の基礎研究をはじめ、世界に誇れる学術分野が少なくない。留学生と共同研究することでプラス効果も期待できよう。  国や各大学は海外への情報発信力を高めつつ、教育施設や住まいの充実など、落ち着いて研究などに専念できる環境を整えてほしい。  留学生を出身国・地域別でみると、中国が7万9000人、韓国2万人と、2カ国で74%を占める。これに台湾、ベトナム、マレーシア、タイなどが続く。  「グローバル30」では、文科省が留学生を積極的に受け入れる拠点校13校を選定し、集中的に財政支援を行っている。北海道、東北からは唯一、東北大が選ばれた。  現在、1500人の留学生が学ぶ同大は、10年間で3000人に増やす計画だ。講義を英語で行うコースを、これまでの大学院のみから来年秋には工・理・農の3学部にも新設する。  日本語を話せる外国人教員の採用、宿舎の準備なども進めている。「優れた人材を迎え入れ、交流することは大学の国際化にもつながる」(留学生課)と強調する。  アジアなどからの留学生は以前、母国の将来を担うリーダー候補として学んだ後、帰国する例が大半だった。  ここ数年は、年間の卒業生・修了者の約30%に当たる8700~9400人が日本で就職している。厚生労働省の調査によると、日本に就職した人の62%が「ずっと日本で働きたい」と回答した。  「いずれ帰国する」と答えた人も、40%が「10年程度働きたい」と希望している。日本企業も、ネット通販の楽天などが外国人の新卒採用を大幅に増やす方針で、グローバル化は想像を超えるテンポで進んでいる。  大学で身に付けた知識、技術を実社会で試そうという若い留学生の活力は、少子高齢化、低成長時代の日本を元気づけ、企業間競争を刺激してくれそうである。  かつての「10万人計画」は、掛け声の割に十分な財政措置が講じられず、受け入れ態勢づくりが進まなかった。  「グローバル30」では、奨学金制度のほか、卒業後の相談など手が届きにくい部分にも目配りするなど、丁寧な支援体制を構築してもらいたい。

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